バックトゥザフューチャーと我が家
というわけで2020/06/12に金曜ロードショーでバックトゥザフューチャーを観た。
結論から書けば、めちゃめちゃ面白かった。世界観、キャラクター、音楽、演出どれも見ていてワクワクしないわけがない、素晴らしいものだったと思う。
うちの家族は父を除いてみんなバックトゥザフューチャーが大好きである。*1家にはデロリアンのおもちゃがあったし、たまに飛行機ごっこ(寝転んで子どもを脚に乗せてブーンってやるやつ、伝われ)ではなくバックトゥザフューチャーごっことか言ってタイムトラベルをすることもあった。よくわからないまま「ジンジャー!ジンジャー!*2」と言いながらきょうだいでぴょんぴょん飛び跳ねて遊んだりもした。
そう、「よくわかっていなかった」のである。上述のようなことをしていたのは私が幼稚園に入るか入らないかぐらいのころで、当時は2時間の映画を全部見通すことなんてできなかったので、家族からの伝聞によってのみバックトゥザフューチャーという映画を知っていたのである。
バックトゥザフューチャーが最後に金曜ロードショーで放送されたのは2005年らしい。おぼろげな記憶によると、そのころはまだ「9時までに寝なさい」と言われるお年頃だったので、確か「ジンジャーだけ見たい!」と言ってジンジャーだけ見てから寝た気がする。
まともに観たことがないなー、いつかちゃんと観たいなーとは常々思っていたのだが、おおよそ人間は機会が与えられければわざわざ自発的に昔の作品を観たりしないもので、あっという間に2020年になってしまった。
今回放送があると知って私はたいそう喜んだ。なんてったってやっと答え合わせができるのだから。
どうしてきょうだいであんなにもデロリアンのおもちゃではしゃいでいたのか。
どうして兄はドクのことが熱狂的に好きなのか。
そして、どうしてこんなにもバックトゥザフューチャーはうちの家族に愛されるのか。
これを観れば、すべてがわかる。そう思うと、放送されるのを知った1か月ほど前からワクワクが止まらなかった。ここ最近のバイトやひきこもり生活もこれがあったから乗り切れた。
そして今日(厳密には昨日だけど)、ついにバックトゥザフューチャーをきちんと観ることができた。
抱いた感想は最初に書いた通り。本当に面白い作品だった。
丁寧な時代の描写、ドクとマーティの関係、残りの尺もお構いなく最後までギリギリでハラハラさせられる展開、気づけないほどの伏線の回収、戻ってきた現代の姿、最後の幕の引き方。
全体を通して見ても、主人公にとっての喫緊の課題がわかりやすく、また初めの短時間でキャラクターを理解することができるような構成になっていて、視聴者を引き込みやすくまとまっていると思った。それに視聴者に不自然に思われないように今後の展開に必要な情報を与える技術も見事だった。
全然書ききれていないのだが、とにかくこんな作品を作れるのはすさまじい手腕を持つ人間に違いない、と心の底から思えた。
こんなにも面白い映画に出会えたのは初めてかもしれない。
観終わったころには、疑問は全て解けていた。
デロリアンのおもちゃは子どもたちにとてタイムトラベルすることを可能にする魔法のアイテムだったし、ドクの発明は見ている私たちの好奇心をくすぐるし、この作品が知識欲が盛んな我が家の面々を魅了するには十二分なものであることは否定のしようがなかった。
ここまで心躍るような作品をあと2週も観ることができるなんて幸せなことだ。続編も楽しみにしながらこれからの毎日を頑張って生きていきたい。
ここからは観ていて惜しいと思ったこと。
もう少し1985年、1955年の時代背景を知っておくべきだった。
その時代についての描写はストーリーを追うには十分な質と量が供給されていたが、今の知識ではきっと気づき切れていない小ネタがたくさんある気がする。それは例えば黒人の待遇、電話の普及率、街を走る車、ファッション、ヒットソング、紙の質…などキリがない。これを機にいろいろと当時のことを調べてみたい。
もう一つ、こんなにも面白い作品を体験できるアトラクションがUSJに数年前まであったのに今はもうないこと。
実は4~5年前にUSJのバックトゥザフューチャーのアトラクションには乗っていたのだが、今思え返せばドクと会話でき、デロリアンに乗ってタイムトラベルできるアトラクションなんて夢のようじゃないか。バックトゥザフューチャーを観たうえであれに乗っていたらもっと楽しめただろうに。こればかりは悔やんでも仕方がないが、何かの拍子に復活したりないだろうか。一縷の望みを抱きながら過ごしていくしかない。
とりあえず書きたいことはある程度書けた気がするのでここら辺にしておく。
最後に、金曜ロードショーが始まったタイミングで家族のLINEグループが「今からだね!」「観る!」といった盛り上がりを見せていたので、やっぱりこれは特別な映画なのだということを痛感した。
来週、再来週の放送ももちろん楽しみだが、今度家族と会ったときにこの作品について語り合うという楽しみもできたので、これからしばらくはバックトゥザフューチャーでワクワクすることができそうだ。