閉鎖的なこの町を飛び出して旅をした時の気持ちの記録




2020/05/20日記【のろのろ電子とのろのろ決心】

 

 

昨日がアレだったので今日は意気込んだ。

午前から電磁気をゴリゴリやった。ちょっと盛った、ゴリゴリとまではやってない。

しつこいぐらい誘電率の問題をやった後、ついに次の章、電流に入った。NKT…。

電流の序盤では聞きなれない物理量がいろいろ出てきて焦った。忘れているというよりも習ってないっぽい。熱電対の話に出てくる熱起電力係数α、βや熱起電力の公式、熱電能ηとか「は、はじめまして…ですよね??」と思いながら解いた。多分工学系でよく使うものなんだと思う。授業で出てこなかったのは理学系では比較的重要じゃないのかも。

個人的に面白いと思う問題は、導体に電場をかけた時の電子の移動速度を求めるもの。スイッチを入れた瞬間に照明が点くのだから、直感的には電子も一瞬で動いていると思えるが、実際に計算してみると、電子の平均速度は 0.1mm/s 程度しかないことがわかる。計算を間違えているのではないかと思えるくらい遅い数値だがこれで間違っていない。実はスイッチを入れた瞬間に起きていることは、回路が形成されることによって電位差が生じそこから電場が発生し、この電場が光速で伝播するという現象である。少し考えれば、スイッチから照明までの間にも照明内の回路の中にも自由電子は詰まっているのだから、電場さえ伝われば電子がみんな動いて電流が流れるというのは想像できる。まさかスイッチから電子が照明まで移動して初めて明かりが点く、なんて訳はないのだし。

 

あとは量子力学をやった。前回の宣言に反して変分法をやってしまった。そして一回で終わってしまった。摂動に比べ変分はまず試験関数を見つけなくてはいけないこと、そして出てきた近似怪の精度が粗いことが重なり、あまり魅力的ではない。変分法の概要は、解に近そうな「いい感じの」関数を適当に持ってきて、その関数のパラメータの値を決めて近似解を求めるという方法。この「いい感じの」関数を試験関数というのだが、この試験関数を考えるのがそもそも難しいと感じる。教科書も変分法を扱った章の末にネタばらし的に、実はさっきの試験関数はレイリー・リッツの方法で求めましたという旨の記述があり、実践的に使える機会は限られそうな気がした。やはり摂動論こそ至高。無摂動のときの解さえ厳密に求まっていれば(理論上は)いくらでも精度を高めて近似できるわけだし。摂動論原理主義者になりそう。

 

それと院試についていろいろ調べてみた。TOEICが受けられなかった学生に対しての措置は何かしら取られるらしいので一安心。ただ筆記試験と面接についてはどうなるかは未定。院から遠くに住んでいる人間に対する救済措置をとってもらうにも、受験するなら今のうちから「受験します!」ってアピールしといたほうがいいのかもしれない。

さっさと進路を決心したいところだが、やはり諸々の不安がぬぐえない。学力面、経済面、精神面、そして将来像…。明日あたりにでも某を頼ってみてもいいのかもしれないと思いつつある。